人身保護法の請求

人身保護法は、憲法34条の趣旨を具体化したもので、不当に人身の自由が奪われている場合において、裁判により迅速かつ容易にその自由を回復させることを目的とする法律です。請求は拘束者やその代理人だけでなく、誰でも行えるのが特徴です。

この法律は、英米法におけるヘイビアス・コーパスの制度に倣ったものです。このヘイビアス・コーパスは日本において講学上人身保護令状ともいい、ある者の人身の自由が不当に奪われている場合において、その者を拘束している者に対して裁判所が発する、被拘束者の身柄の提出を命ずる令状のことを指します。不法監禁などに対する最も有力な救済手段であるとされ、起源はイギリスのピューリタン革命時代に遡ります。ヘイビアス・コーパスの制度では、拘束者に対する処罰規定がありませんが、これは新約聖書の「汝、人を裁くな」という教えに由来するものであるとの解釈が通説的です。

日本でも終戦後に大日本帝国憲法に代わって現在の日本国憲法が制定された際、連合国総司令部の意向に基づいて憲法34条にその理念が盛り込まれました。実際、マッカーサー草案31条にも、憲法34条と同様の趣旨の規定が見られます。また、憲法34条の趣旨を具体化した人身保護法においても、ヘイビアス・コーパスの制度と同様、拘束者に対する処罰規定が存在しません。これは、拘束者の処罰を目的とせず、専ら被拘束者の自由を回復するという同法の目的に基づくものです。

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